夏休み最終日にクーリングオフ案件にあった話
それは、夏休み最終日の夕方に起こった出来事である。
いつものようにハースストーンを開いてラダーを回していると、突然チャイムが鳴った。
インターホン越しに出てみると新聞勧誘の人であることがわかった。
「まあ、話だけでも聞いてやるか」と思い、ドアを開けると、腰にポーチを付け、半袖短パンの40歳くらいのまあまあかっこいいおじさんが立っていた。
「〇〇新聞のものですが、いつも(ry」と、少しこなれた感じで話す。
「マニュアル通りよく出来た挨拶だ」と思いながら話を聞く。
「今学生さんですか?」「何年生ですか?」「どちらから上京してきたんですか?」など、ありきたりな質問をされながら適当に受け答えしていくとこんな言葉が聞こえた。
「この辺りの世帯の方々に3ヶ月でいいのでうちの新聞とよろしくしていただこうと思いまして…もし、その後もよろしければご購読してもらおうかという話なんですが…」と。
私は、はやとちりなものだから「最初の3ヶ月は無料で読めるのか〜」と、ランク25並の勘違いをした。
小学生でも考えれば分かることだが、新聞は無料で読めることはない。もちろん、購読料を毎月払って読むのが基本である。
ハースストーンのせいもあって思考が完全に停止していた私は二つ返事で了解してしまった。
まだ契約書を書いていないから、今すぐにでも断ればよかったものの、その人の巧みな話術に翻弄されていた。
新聞勧誘あるあると言わんばかりに、洗剤や醤油、さらには食用油まで大量に貰ってしまった。
そして、契約書にサインした後に私は我に帰った。
「やっちまった〜〜〜〜〜〜」と。
だが、契約書の裏面にクーリングオフについて大まかに書かれた文章があった。
「これは…いける!!!」と思い、とりあえず貰った粗品を部屋の隅に置き、Google検索で、「クーリングオフ 手順」と検索した。Google先生によると、クーリングオフの手順はこうだ。
1.ハガキか、クーリングオフ用の書面を用意する。
2.契約を破棄させていただきます。的な感じで書く。
3.契約した会社宛に送る。
とまあ中学生でも簡単に出来そうな感じだった。
さっそく百均に行き、ハガキを買って、Googleで出てきた文面を丸パクリし、次の日に郵便局へ出した。
「もし、これでクーリングオフ出来なかったら訴訟してやろう」と思っていた。なぜならクーリングオフを認めない有名企業などといったら大変なことになるのは間違いなしだからだ。
すると、三日後には新聞が届かなくなり、やっと平和が戻ってきたのである。ちなみにもう学校は始まっていた。粗品は今でも部屋の隅に置いてある。
最後に私から一言、みなさまに言っておきたい…
みんなも新聞勧誘には気をつけよう!
じゃあな!